読んだ本
別冊 数理科学「相対論の歩み」 | CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1020000781881236352
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@book{1020000781881236352, author="松下 泰雄", title="別冊 数理科学「相対論の歩み」", publisher="サイエンス社", year="2005", URL="https://cir.nii.ac.jp/crid/1020000781881236352" }
- 82 - p. 89, 米谷民明,量子論と相対論の統一とは何か.
3人の対話形式で量子論と重力理論の衝突を概説する記事である.超弦理論の専門家として米谷の哲学的立場も交えながら物理学の「地平線」を眺めている.
しかし,今一番問題なのは弦理論のそうした構造の背後に潜む原理がよく分かっていないということです.つまり,量子論で言えばシュレーディンガー方程式や一般相対性理論で言えばアインシュタインの場の方程式のように,その理論の本来の構造を定義するための原理が分かっていない.それを明らかにして,原理としてはそれを解けば実際に観測できる物理量を計算できることが確信できるような理論の定式化を見つけることが課題になっているのです.
前半は電気と重力の古典論について,次元解析の観点から重力理論の持つ特異性を論じている.そして,真空ゆらぎの観点から重力理論のくりこみ不可能性が帰結することを説明する.
... エネルギーや運動量の不確定性の分だけ,粒子とその反粒子が真空中で生成されたり消滅したりすることが起こるのです.これを真空のゆらぎと呼びます.
... 重力理論のように長さについて正の次元を持ったものでしか相互作用の強さを表せない理論の場合は原理的な困難があるのです.
後半ではブラックホールエントロピーに話題が移り,統一理論の持つべき説明能力が論じられている.
結論部として弦理論の持つ可能性で記事が締めくくられる.
それなのにどうして弦理論がそんなに注目され世界中でしのぎを削るような研究が続けられているかと言うと,それは,今日議論した統一理論の解くべき二つの大問題,つまり前半で議論した真空のゆらぎの無限大の問題と,後半に話題にしたブラックホールのエントロピーに関連した問題の両方に対して,弦理論によって初めて同時に解決する可能性が具体的に示されているからです.
借りた本
Theory of Operator Algebras I - Masamichi Takesaki - Google Books
https://books.google.co.jp/books/about/Theory_of_Operator_Algebras_I.html?id=OIEZAQAAIAAJ&redir_esc=y
Ref. [36] of [2303.04701] von Neumann algebras in JT gravity
Theory of Operator Algebras II - Masamichi Takesaki - Google Books
https://books.google.co.jp/books?id=M6XyCAAAQBAJ&source=gbs_book_similarbooks
Theory of Operator Algebras III - Masamichi Takesaki - Google Books
https://books.google.co.jp/books?id=9M3uCAAAQBAJ&source=gbs_book_similarbooks
まとめ
米谷さんの記事を1つ読み,文献を3つ借りた.